覚え書き
愛玉子さん
カズオ イシグロ
早川書房 (2006年04月22日)
フィクション
少女時代の思い出。楽しいことも、辛いこともあった寄宿舎生活。さらさらと描かれる回想の中に、ふとまざる違和感。小さな砂粒のようなそれは、やがて残酷な、グロテスクとさえ言えるような悲しい運命となって立ち現れる・・・。いわゆる号泣するような作品ではない。だ...
ダン ローズ Dan Rhodes
中央公論新社 (2006年04月)
捨てられた犬は、飼い主の元へとひた走る。残酷な運命を横切りながら。人生はこんなにも残酷で不条理で、なのになぜか美しい。動物のほのぼのモノをお探しの方は、間違っても手にとられないよう。
中央公論新社 (2006年09月)
愛に関する七つの寓話。その愛の形は滑稽で残酷で、あまりに切ない。読んで吐いた方がいるらしいので、体調の良いときに読むことをお勧めする。(吐いたのはおそらく男性だろう・・・女性は多分大丈夫だと思う)
アラン ライトマン Alan Lightman
早川書房 (2002年04月)
アインシュタインが見たかもしれない、時間に関する夢。三十通りの異様な時間は、不安でもあり、美しくもある。一つ仕掛けがあるのだが、知らずに読んだ方が面白い。後書きは、本編の後に読むことをお勧めします。
ジャック・フィニイ 福島 正実
早川書房 (1980年11月)
刑の執行を数日後に控えた死刑囚は、独房の壁に絵を描くことを希望したのだが・・・(「独房ファンタジア」)ノスタルジー溢れる短編集。
村上 春樹
新潮社 (2005年02月28日)
村上春樹ワールド、としか表現しようのない世界。どっぷりと浸りたい、といいつつ、私の中では『世界の終わり〜』が相変わらず彼の最高傑作であるが。
湯本 香樹実
新潮社 (1994年03月)
日本版『スタンド・バイ・ミー』。少年は、こういう通過儀礼を越えて、大人になるのだろう。無理やり大人にならざるを得ない(元)少女から見ると、うらやましくもある夏の日。
あさの あつこ
角川書店 (2003年12月)
もとは児童書だったらしいが、児童書らしからぬ小説。主人公の少年は可愛げがなく、子どもが自分と重ね合わせて読むような人物ではない。が、子どもって実際はこうだよな、という実感がわいてくる。続きが気になる作品。
古川 日出男
集英社 (2003年09月05日)
前半は文句なく面白い。最初の一行で持っていかれるのは相変わらず。後半、この世界観が好きな人にはいいんだろうけど、私にはちょっと・・・という感じ。京極夏彦の『ルー・ガルー』が好きならお勧め。
ポール ギャリコ Paul Gallico
新潮社 (1996年12月)
家族同然のロバが病気になったとき、孤児の少年は聖堂にお参りしてロバを救おうとするが・・・思わず涙がこみ上げ、暖かい気持ちになる『小さな奇跡』など、ハンカチ必須の三篇を収録。
スティーヴン キング
新潮社 (1988年03月)
ホラーではないが、背筋が寒くなること請け合いの「ゴールデンボーイ」と、映画『ショーシャンクの空に』の原作である「刑務所のリタ・ヘイワース」の二編が収録された、豪華な一冊。
筒井康隆
河出書房新社 (1997年12月)
切れ切れになった物語。読み解くにつれて、物語の内と外が入り混じっていく。めくるめく混沌の後、立ち尽くす驚愕の荒野。
小川 洋子
新潮社 (2005年11月26日)
秋の日の木漏れ日のような、透明な明るさと切なさに満ちた静謐な世界。
ダン・ブラウン
角川書店 (2004年05月31日)
いかにもハリウッドぽい、と思っていたら、やはり映画化。わかりやすく、わくわくする冒険小説といった印象。こんな暗号でなぜ悩む?とつっこみたくなるシーンもあるが。
東野 圭吾
集英社 (2002年05月17日)
夜明け前が一番暗いという。明けない夜はない、とも。だが彼らが歩いていたのは白夜。偽りの太陽の下、明けない夜をさまよい続けた、二人の悲劇。
田中 光常
小学館 (2004年01月22日)
ノンフィクション
パンダって、なにやってても可愛い。
荻原 規子
徳間書店 (1996年07月)
舞台は日本でありながら、ファンタジーとして成功している稀な作品だと思う。ただ、登場人物にどうも感情移入できないのは、この作者の感性と合わないせいか。
レイ・ブラッドベリ 越前 敏弥
文藝春秋 (2005年09月10日)
もうかなりご高齢のはずの作者だが、このみずみずしい文章はなんだろう。三部作の最終巻ということだが、これ単品でも楽しめる。
マシュー・パール 鈴木 恵
新潮社 (2004年08月26日)
正直、エンターテイメントとして『ダヴィンチコード』と比較されるのは気の毒になってくる。無理にミステリ仕立てにしたような違和感が。
伊坂 幸太郎
角川書店 (2004年07月31日)
押し屋と呼ばれる殺し屋を探すはめになった男。あらすじを書くのは、他の伊坂作品同様難しい。読み終わると、生きているみたいに生きていこうと思う。
グ スーヨン
角川春樹事務所 (2002年05月)
在日という、どこにも属さない存在。自ら属することを否定している彼は、どこへ向かうのだろうか?
恩田 陸
幻冬舎 (2004年06月11日)
誰が質問者で、誰が回答者なのか不明なまま、ある大事故が語られていく。一冊丸ごと都市伝説のような作品。
近藤 史恵
文藝春秋 (2004年03月24日)
歌舞伎という一般人にはなじみの薄い世界をテーマにしているが、わかりやすい。ミステリとしては、淡白な印象。
京極 夏彦
シリーズ三作目。幾重にも重なり合った物語。狂骨や陰摩羅鬼の世界は、この時すでに作られていたのだ。又市と京極堂がもし出会ったら・・・などと、ありえないことを想像してしまう。
堀江 敏幸
講談社 (2004年02月13日)
堀江入門としてお勧め。目を閉じられた熊のぬいぐるみが印象に残る。ずっと読んでいたいような、清冽な文章がたまらなく好き。
新潮社 (2005年02月26日)
河のほとりの、係留された船で暮らすことになった男。数々の挿話とともに、ゆるやかに語られる日常。詩のような文章がさらさらと流れる。
梨木 香歩
新潮社 (2004年01月)
ゆるやかに時間が流れていくのが心地よい。こういうのが桃源郷かもしれない。一息つきたいときに。
寮 美千子
講談社 (2004年10月27日)
登場人物には全く感情移入できず、読んでいてイライラがつのるばかり。最後まで読みきったのは、ひとえにインドの描写が読みたかったから。ねっとりした、香料のまじる空気の描写はうまい。
講談社 (1999年02月03日)
たまたま駅に居合わせた一人ひとりにも、それぞれかけがえのない人生がある。他人は大変だったね、辛かったねですむが、彼らはこの先一生、あの日を背負っていかなくてはならない。それを、忘れてはならないと思う。村上春樹だから、語ってくれたということもあるだ...
アレックス シアラー Alex Shearer
求龍堂 (2004年05月)
チョコを密造するシーンがなんとも美味しそう。社会情勢を重ねる見方もあるが、普通に読んで面白い。
いしい しんじ
理論社 (2002年06月)
とりあえずもう一冊読んでみようと思ったが、恐竜の挿話で引いた。ブラッドベリの『霧笛』そのもの。パクリかインスパイヤか知らないが。それさえなければ、(とはいえそれが印象的なのも事実なのだが)色彩と音楽が美しい作品。
新潮社 (2005年05月28日)
話題になっていたので手に取ったが、あまり好きな文体ではない上に、登場人物も好きになれない。好みが分かれる作品。
ジョン・マグレガー 真野 泰
新潮社 (2004年11月25日)
登場人物はほとんど名前を与えられていない。だが、一人ひとりの人生の一こまが丁寧に描かれることにより、生き生きとした色を見せる。奇跡は、起きているのだ。それと知らずに。
石田 衣良
新潮社 (2003年05月22日)
少年たちの友情。 だが石田衣良は、もう少し年長の少年たち(池袋モノのような)のほうが、扱いがうまい。
ジェラルド カーシュ Gerald Kersh
晶文社 (2002年07月01日)
古めかしさは多少あるが、古臭さは全くない。『豚の島の女王』が秀逸。切なく、残酷な物語。軽めのストーリーも組み合わせてあるので、最後まで楽しめる。
講談社 (2004年04月13日)
ブラフマンがかわいい。結末は題名から察しがついてしまうが。雰囲気的には村上春樹の『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』の、世界の終わりの方をライトにした感じ。
新潮社 (2003年11月)
正直、あらすじを聞いてもなんのことやらわからないと思う。確かに奇想天外だが、ついていけないほどではないので、ぜひ手に取ってみてほしい。様々な伏線が一つに収束していくラストは、爽快感がある。
新潮社 (2002年07月)
見ず知らずの人の人生が最後に終結していく・・・というつくりが好きで、よく読んでしまう。これは、登場人物皆が魅力的で、引き込まれる。作者のひっかけにまんまとはまるのも気持ちいい。
講談社 (2004年05月21日)
ある迷惑な男をめぐる人々を描いた連作集。たしかに迷惑なのだが、どうにも魅力的。思わず笑ってしまうので、電車では読まない方がいいかも。
幻冬舎 (2003年02月)
恩田陸はほとんど読んでいるが、作品ごとに印象が違うので「こういう作家」と断定するのが難しい。これは、明るく力強く、読みやすい部類になるだろう。
アレン カーズワイル Allen Kurzweil
東京創元社 (2003年01月)
形見函におさめられた、一見意味がないように思える品々は、物語が進むにつれて精彩を帯びる。姉妹編はあまりお勧めしないが、これは星5つで。
マーク・Z. ダニエレブスキー Mark Z. Danielewski
ソニーマガジンズ (2002年12月)
『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』をものすごく面白くしたらこんな感じかも。道具立ては似ているが、こちらの方が数段怖い。文章を読んでいるだけなのに、迷宮に入り込んだような錯覚が。読み終わって、自分の家の中におかしなところがないか点検したくなる。
ローレンス ノーフォーク Lawrence Norfolk
東京創元社 (2000年03月)
ちょっとずつではなく、徹夜覚悟で一気に読んでほしい。というか、途中でやめられなくなる。『前日島』『薔薇の名前』が好きな方へ。
片山 恭一
ポプラ社 (2003年08月)
『ノルウェイの森』を思い出した。登場人物の誰にも感情移入できなかった。この作者とは相性が会わないらしい。
コニー・ウィリス 大森 望
早川書房 (2004年04月17日)
タイムトラベルものだが、ゴリゴリのSFではないので、誰でも楽しめるのでは。つじつまあわせに奔走する主人公達の姿が笑いを誘う。ブルドックもかわいい。
平松 謙三
ブルースインターアクションズ (2005年05月)
写真と文章のバランスが美しい。ペットを旅行に連れて行く時の実用書にしてもよし、読んで楽しんでもよし、インテリアとしてもよし。
新美 敬子
河出書房新社 (2004年08月03日)
写真と文章のバランスが好き。猫が「〜だにゃ」などという写真集に食傷気味の方へ。
クラフト・エヴィング商會
筑摩書房 (2000年12月)
未来から届いた古本をめぐる話。すべて読んでみたい。出前における情緒、正確無比なる横分けの調髪法・・・気になる。
筑摩書房 (1998年11月)
謎の品々をめぐる話。その謎めいた品の写真が美しい。雰囲気的には稲垣足穂や宮沢賢治のようなイメージ。
佐藤 和歌子
リトルモア (2003年04月)
寝る前にパラパラみて、ニヤついている。カバーを外すと、裏に間取り図があるのも楽しい。
林 望
平凡社 (1991年03月)
エッセイ
この本を読んでから、ルバーブジャムを見かけたので早速買った。すごく美味しかった。食欲をそそられてしまう本。
ウンベルト エーコ Umberto Eco
文藝春秋 (1999年05月)
様々なストーリーが、幾重にも重なっている、濃厚な物語。その世界に酔いしれる。
小林 賢太郎
幻冬舎 (2004年04月)
戯曲集
ここで一番好きなキャラは、ネイノーさん。思わず真似してしまう。ラーファンじゃない人にやってはいけない。
幻冬舎 (2002年01月)
後から「そういう意味だったのか!」とわかって思い出し笑い・・・なんてこともよくある。小林賢太郎、天才。
パトリック ジュースキント 池内 紀
文藝春秋 (1988年12月)
香りを全く持たない男が、究極の香りを求めた物語。その香りがあれば、世界を手にすることすらできるはず、だったのだが。
遥 洋子
筑摩書房 (2004年11月11日)
ケンカの極意・とどめは刺さずにもてあそべ!上野千鶴子に惚れた。
中島 らも
文藝春秋 (1997年09月)
幽霊が書いた(ということにした)『私とリー』の物語を読みたいと思ったのは、私だけではないだろう。静謐な物語をくるむのは、アルコールとコメディ。
ウィリアム・ゴールディング William Golding
新潮社 (1975年03月30日)
15少年漂流記のブラックバージョン的な。とはいえ、こちらの方が現実に近い気がする。
ハリイ・ケメルマン 永井 淳
早川書房 (1976年07月)
純粋な推理だけで謎を解くという、ミステリ好きにはたまらない短編集。
講談社 (1994年03月04日)
香腺液の結晶を味わってみたいが、仕方ない、文章で我慢しよう。
角川書店 (2004年01月)
見知らぬ者どうしのそれぞれの行動が、錯綜しあい、ドミノのように倒れてゆく。スピード感あふれるコメディ。えり子ファンは多いはず。
畠中 恵
新潮社 (2004年03月)
体の弱い若だんなと、彼を支える妖怪たちが事件の謎を解く。世話焼きな妖怪たちがかわいい。
小池 真理子
早川書房 (1999年04月)
大学の助教授と若くかわいらしい妻、そして女子大生の、幸せに満ちた三角関係。しかしそんな蜜月も、一人の男の登場で、悲劇的に破滅してゆく。
菅 浩江
早川書房 (2004年03月09日)
未来の博物館が舞台。だが、持ち込まれるいわくつきの物たちに込められた想いは、いつの時代も変わらない。優しく、切ない連作集。
角川書店 (2005年02月24日)
シリーズ第二弾。ラストが切ない。解説は恩田陸。
角川書店 (2003年06月)
必殺仕事人・・・といえばわかりやすい。だが、彼らが使う武器は、言葉。
米原 万里
角川書店 (2004年06月)
プラハで少女時代を過ごした著者の、三人の友人をめぐる作品。民族や宗教に関係なく、自分の友人、知人を大事にしたいと思ったら、それが本当の意味での愛国心なのかもしれない。
新潮社 (1997年12月)
テレビにもよく登場する、ロシア語の同時通訳者のエッセイ。慣用句や駄洒落にめげず、フル回転で訳していく通訳者たちには脱帽。
小杉 州一
新風舎 (2003年10月)
表紙で買ってしまった本。無表情なカエルが、表情豊かに見えてくるのが不思議。撮影後は放してやった・・・と聞いたけど、本当じゃなかったらちょっと心が痛む。
パラダイス山元
文藝春秋 (2002年01月)
帯には「これがホンモノのマン盆栽だ!」の文字が。贋物ってあるのだろうか?激しく癒され、自分でも作ってみたくなる。というか、作った。
宮田 珠己
文藝春秋 (2001年07月)
その後サラリーマンを辞めた著者が、ヘンなものを探してアジアを旅する。脱力系写真が多数。
小学館 (1998年02月)
「名もない一介の素敵なサラリーマンに過ぎない」(本文より)著者による、勤務時間内に書かれたエッセイ。脱力モノのイラスト(本人による)がまたよい。
高見 広春
太田出版 (1999年04月)
かなりハードではあるが「青春物」。でも、暴力シーンのみに反応してしまう人もいるだろう、というのも事実。
講談社 (2001年11月06日)
京極堂のスピンオフもの。挿絵が気に入らないので。
講談社 (1999年07月15日)
たまたま電車で隣に座った人、挨拶を交わす程度の近所の人が、ひょっとしたらこんな心の闇を抱えているかもしれない。
講談社 (2004年07月06日)
榎木津シリーズ第二弾。最後の招待状のくだりは、意外な一面がちょっと嬉しい。
講談社 (1999年11月11日)
榎木津礼二郎がいれば、解決できない謎はない!解決というよりは完全粉砕、だが。
講談社 (2003年08月09日)
姑獲鳥の夏と対を成す作品。おどろおどろしさよりも、なぜかはかない美しさが感じられる。
講談社 (1998年09月17日)
それでも「この世には、不思議なことなど何もないのです」。
講談社 (1998年03月27日)
京極堂のライバルともいえる存在が登場。関口が彼岸へ行ってしまいそうでハラハラさせられる。
講談社 (1996年11月05日)
最後まで読んで、また最初の数ページを読んでしまわなかった人・・・って、いるのだろうか?
講談社 (1996年01月05日)
拙僧が殺めたのだ・・・
講談社 (1999年09月08日)
みっしり・・・という言葉に反応するようになってしまった。箱を抱えて彼の岸へ行ってしまった男は、今も幸せなのだろう。
京極 夏彦 笠井 潔
講談社 (1998年09月14日)
衒学的な言葉のやりとりから、いつのまにか本質へ導かれる心地よさ。京極堂にはまった原点の作品。
講談社 (2000年09月05日)
ざざ、ざ。という波の音が聞こえてきそうな気がする。どこまでが夢で、どこからが現実なのか。
角川書店 (2001年12月)
読むものを狂気に導くという一冊の本。 それは、迫りくるナポレオン艦隊への 最後の武器となり得るのか? 一冊で二度美味しい。 帯の紹介文は、京極夏彦と桐野夏生。
角川書店 (2002年01月)
最初の一行で持っていかれる。 あふれ出す色彩、ジャングルの 獣たちの声。
角川書店 (2003年07月)
<沈黙> 悪との戦い。幻の楽曲。生き延びる意志。 <アビシニアン> 魂が、ゆっくりと再生してゆく。
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