運動しても痩せないのはなぜか: 代謝の最新科学が示す「それでも運動すべき理由」

  • 草思社 (2022年10月18日発売)
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二重標識水法という新しい計測方法で消費エネルギーを計測すると、狩猟採集民も現代人も、どれだけ運動量が違えど1日あたりのエネルギー消費量は同程度だった。(制限的日次カロリーという)

代謝システムは、制限的日次カロリーにおいて、消費カロリーを一定に保つ。運動をして消費すれば
空腹感を刺激して食べるように促すし、逆も然り。

したがって、運動しても痩せないのは、制限的日次カロリーであるから。

面白いのは、糖質制限も高炭水化物食も、痩せるのは摂取カロリーが消費カロリーを下回るから、ということ。狩猟採集民は、実は炭水化物を多く摂っており、高脂肪食だったのはエスキモーなどの寒い地域の話だった。

パレオダイエットの元になった論文で扱われてるデータは不完全で偏ったものである、という主張もなるほどだった。

要は、議論の元になってるファクトとされてるものは、本当にファクトなのか?を疑うことで、新しいことを発見したのだ。それは二重標識水法もそう。



読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文化人類学
感想投稿日 : 2023年5月26日
読了日 : 2023年5月25日
本棚登録日 : 2023年5月21日

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