自動起床装置 (文春文庫 へ 2-1)

著者 :
  • 文藝春秋 (1994年9月10日発売)
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感想 : 24
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「自動起床装置」、日常生活には珍しいように感じるが、私も毎日起こしてもらっているスマホのアラームも似たようなものなのかもしれない。そういえば何十年も人に起こしてもらっていない。
一日のかなりの時間眠っているけど、人から見たら私の眠りはどんな風だろう。自分の眠っているとき、自分の意思が及ばない(むしろむき出しと言えるかもしれない)状態のため、それはとてもプライベートな姿だと感じる。また、「眠り」については考えても「起きる/起こす」ことについてはあまり考えたことがなかったことに気づいて新鮮で面白かった。
聡は自動起床装置の導入に危機を感じるが、それは自分の仕事を奪われるからではない。装置によって人を起こすことに危機を感じているのだ。はたから見たら不思議なこだわりだが、私もそういう謎のこだわり、持っていると思う。
「起こし屋」は、今はもう存在していない職業だろうか?ちょっと変わったお仕事小説としても面白い。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年5月7日
読了日 : 2023年5月7日
本棚登録日 : 2023年5月6日

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