超訳 ニーチェの言葉 エッセンシャル版(特装版) (ディスカヴァークラシック文庫シリーズ)

著者 :
制作 : 白取春彦 
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン (2015年11月19日発売)
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感想 : 11

 今年は56年ぶりとなる東京でのオリンピック・パラリンピック開催年です。昨年末からの新型コロナウィルス感染症の影響を受け、全世界が不安な空気に包まれていますが、このような時こそ、世界中の人々が力を合わせ、この困難を乗り越えていかなければいけないのだと思います。その一つの象徴としてオリンピック・パラリンピックが最も良い形で開催されることを祈るばかりです。
 新年度を迎え、皆さんお一人お一人も、新たな環境に身を置き、不安と希望に満ち溢れた生活を始められたことと思います。そんな皆さんに、私からこんな本をご紹介したいと思います。
皆さんは、哲学書や自己啓発本を読まれたことがあるでしょうか。私はこの種の書籍に対して、自分の心の弱さを指摘されるような気がして、これまで好んで手に取ることはありませんでした。哲学書に至っては、小難しいことが書き並べられていて難解であったり、核心をついた内容であったとしても、そんなことは分かっていると素直に受け入れられない印象もありました。しかし、その日はなぜか本屋に並べられていた哲学書『ニーチェの言葉』という書籍が気になって、何となく手にとってみたのです。予想に反し文字が少なく読みやすい装丁に、いくつかのニーチェの言葉に目をやってみたのです。難しい表現はひとつもなく、さらっと述べられている短い言葉の数々は、あるものは「やっぱそうだよね~」と納得できたり、あるものは「そんな考え方をしても良いんだ」と目から鱗であったり、素直に面白いと感じました。
 読み手の精神心理状態や、年齢、置かれた環境によっても感じ方はきっと大きく変わるのでしょうが、きっと心が疲れているときに読めば一服の清涼剤となり、何かにチャレンジしようと思うときに読めば温かい手で背中を押してくれる、そんな書籍であるように思います。一気に読みきるというよりは、気が向いたときに手にとってみる。手元にこんな一冊があっても良いのではないでしょうか。
(「図書室information87号」より抜粋)

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カテゴリ: オススメ図書
感想投稿日 : 2020年3月27日
本棚登録日 : 2020年3月27日

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