「豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件」
そんなバナナ。
変奏曲なABC殺人。マザ・コン。ネギと殺人。夜を見る猫。豆腐と殺人。そして、ねこめろんくん。 タイトルから察するに十中八九真面目なミステリーでは無いと踏んでいたが、その通り。変化球づくしの短編集になっている。
倉知淳の作品は「シュークリーム・パニック」以来に手に取ったのだけど、この方はユーモア系もゆるっとしたミステリーも風刺系やアットホームなものもイケるのだと確認できた。そもそも一つ一つの短編がピチッと終わる感じが良く、ああ読み切ったと思えて、個人的には好み。
また、猫丸先輩はデビュー作「日曜の夜は出たくない(猫丸先輩シリーズの第1作目)」の主人公だったのかと。表題とは時代背景も全く違うし、どんな意図でこの短編集に収められたのだろう。とにかく映像化しやすそうなキャッチャーなキャラクターで、猫丸先輩のおかげ?で、がっつりユーモラスな仕上がりになっている。
個人的には、変奏曲なABC殺人とマザ・コンが、好きかな。前者は終わりは予測可能で、あれ?もう終わり?となるけど、なんかそれが良い。特に大掛かりな仕掛けがあるわけじゃ無いけど、このさくっと感。好きであります。
後者はオチが効いてるのが良い。マザ・コンの支配下から逃れたかったが、また別のマザ・コンが立ちはだかる。その上でこのオチ。世にも奇妙な、に出てきそうな短編。
この短編集は、ゆる〜い読了感がストロングポイント。ゆる〜い感じになりたい時はおススメ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年4月23日
- 読了日 : 2019年4月23日
- 本棚登録日 : 2018年3月29日
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