株式会社の終焉

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  • ディスカヴァー・トゥエンティワン (2016年9月30日発売)
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資本が過剰に累積した日本では、これ以上の潜在成長率の底上げは困難で、永劫の成長を目的とする株式会社という仕組みがすでに立ち行かなくなっている、とするのが著者の視点と理解しました。

一方、グローバルな競争にさらされている日本企業は海外の市場での売り上げが既に過半を超えている会社が相当数あることから、縮小していく国内事業に割り当てる資源を、海外事業により一層振り向けることとなる、という視点もあります。
こうした企業は、持ち株会社をより資本市場の厚い国(米国、英国、香港など)に移し、日本国内事業を子会社化して事業の縮小を図っていくのではないでしょうか?

著者の前著「資本主義の終焉と歴史の危機」も読ませて頂きましたが、グローバリズムは一国の中に周辺と中心を発生させ、格差拡大を助長するという点は確かにあります。世界経済におけるシェアが縮小していく日本と日本企業が、グローバルな市場での存在感を維持するためにはどうやって付加価値を高めていくか、その一方、国内事業の統合と最適化をどう図っていくのかという課題が、本書の提起する問題とともに思い起こされました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ビジネス・経済・業界
感想投稿日 : 2018年11月10日
読了日 : 2017年6月1日
本棚登録日 : 2018年11月10日

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