不思議な島旅 千年残したい日本の離島の風景 (朝日新書)

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2020年12月11日発売)
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日本列島に点在する小さな離島。
無人島、有人島、ひとりだけの島に旅して、出会う人々。
暮らす理由、生活、風習と、失われるものを見い出す記録。
序章 離島の人口が減っていく
第1章 人ー有人島と無人島のあいだ
第2章 風習ー今も息づくもの
第3章 歳月ー失われゆくもの
終章 万物との対話
大まかな離島地図、参考文献有り。
日本には7000近い島がある。
その多くは無人島だが、有人島もある。
しかし、時代とともに人口が減り、無人化する島もあるし、
人口がひとりだけの島、再有人化した島もある。
そんな島々への旅行記&人との出会いのノンフィクションです。
たったひとりでも島に人が暮らすことの貴重さ。
その暮らしは、島とともに生きられる喜びが。
島の歴史、独自の文化や風習、島の「個性」を継ぐ、者たち。
子どもが子どもを呼ぶ、守姉の風習。
船で島を離れる惜別の光景は、送る人&送られる人の思いの情。
新島の流人墓地への「だんとう」の風習。
失われてゆく北方領土の生活の記憶。
無人島の電話ボックス、屋久島の温泉ではない瀬風呂跡。
過疎化、想定外の災害、対外事情や歴史の変遷等、
過去も現在も未来も、時の流れの移ろいはあれども、
大いなる自然に抱かれる離島の風景は、ただ、そこにある。
不思議な想いを抱かせる、心に響く何かを、秘めて。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 地理・地図・場所
感想投稿日 : 2022年6月7日
読了日 : 2022年6月7日
本棚登録日 : 2022年5月14日

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