楽園の烏

著者 :
  • 文藝春秋 (2020年9月3日発売)
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八咫烏シリーズ第二部1作目。
養父から山を相続された彼は、幽霊に導かれて来た。そこは、
八咫烏と猿との大戦から20年が経過した、山内の地だった。
第一章 逃避行  第二章 異界  第三章 貴族
第四章 地下街  第五章 慈悲  終章  置き土産
第二部1作目は、不穏な雰囲気で包まれている。
八咫烏が住まう山内の地・・・ここは、本当に楽園なのか?
20年の年月の間に何が起きていたのか?
第二部のオープニングといった様相で、
東京から幽霊に導かれて来た安原はじめが、キーパーソン。
黄烏として君臨し、山内を守る雪斎の姿は、老獪かつ冷酷。
彼に心酔し、安原はじめと行動を共にする頼斗は、
千早やトビたちとの出会い、巻き起こる事件によって、
疑念と葛藤を心に抱くようになります。
だが、物語は始まったばかり。
長束も登場するけど、朝廷や貴族、雪斎の元の仲間たちの
現在の状況は不明。何よりも、金烏が分からない。
代替わりして幼い金烏に・・・これはいったい?
もちろん、幽霊の正体も気になるところです。
次作は山内の外の人間世界が中心となるのかな?
もしかしたら、この1作目のアナザーストーリーになるかな?
20年の年月にあったこと、雪斎の凄まじい変容の理由を、
解き明かしてほしいです。・・・これは本当の雪斎なのかなぁ。
そして、安原はじめがどう行動するのか?
実はとんでもなく頭が切れる人物で、ビックリ。
彼の義父の行方も、気になるところ。
彼と共に山内の外に出た、頼斗の成長にも期待したいです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ファンタジー(日本)
感想投稿日 : 2021年7月21日
読了日 : 2021年7月21日
本棚登録日 : 2021年4月13日

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