江戸の不動産 (文春新書 1210)

著者 :
  • 文藝春秋 (2019年3月20日発売)
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江戸時代の江戸の土地事情と不動産取引の、知られざる実態とは。
第一章 巨大都市・江戸の土地事情・・・天下普請~明暦の大火の影響
第二章 武士の不動産商法・・・拝領地・町人地・農地の違いと取引
第三章 町人・農民の不動産ビジネス・・・豪商・豪農も江戸に土地
第四章 幕府の土地を私有地にする裏技・・・要は事前工作と金
第五章 東京の誕生・・・黒船来航と戊辰戦争の混乱~地租改正へ
参考文献有り。現在地の情報有り。
江戸の町は時代が進行する中で人口が急増し、
拝領地が限られる中で、武家のみならず、豪商や豪農も、
様々な理由で江戸の土地や周辺の土地を求めました。
そんな江戸に、不動産関連業があったこと、借地や借家の事情、
居住形態、名主等の行政システム、橋や火除地の管理等が丁寧に
説明されています。
土地を得るために必要なのは、人間関係と人脈、そして金!
火除地までも私有地にしてしまうしたたかさは、驚きでした。
しかし、江戸は東京に・・・武家が江戸を離れ、戊辰戦争へ。
その影響の人口減少と荒廃、拝領地は官有地へ。
そして地租改正・・・すべての土地が取引可能になり、東京の発展へ。
意外と知らない江戸の土地事情がわかって、面白かったです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 江戸時代
感想投稿日 : 2019年5月6日
読了日 : 2019年5月6日
本棚登録日 : 2019年4月23日

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