文豪たちのずるい謝罪文

著者 :
  • 宝島社 (2020年8月12日発売)
3.00
  • (1)
  • (0)
  • (9)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 129
感想 : 8
3

借金、〆切、対立、不倫、死までも文才で謝罪する文豪たちの逸話。
第1章 金!金をくれ!・・・太宰治、夏目漱石、坂口安吾など10人。
第2章 〆切から逃げろ!・・・芥川龍之介、泉鏡花など6人。
第3章 文豪VS文豪・・・小林秀雄、中原中也、菊池寛など7人。
第4章 不倫の言い訳・・・北原白秋、林芙美子など6人+2組。
第5章 死ぬ理屈・・・田山花袋、有島武郎、火野葦平など6人。
文豪のプロフィール、引用出典、参考文献有り。
さすが文豪、されど文豪の、言い訳と謝罪を逸話と共に読み解く。
どうしようもない言い訳ばかりなのですが、
何とも言えず読み進めてしまうのは、さすが作家として名を成す
方々の文章だからでしょう。いや、面白い。個性も半端ない。
著者の解説・・・読み解きが語彙や漢字の意味、文脈等にも
及んでいて、それからしても詫び状に言葉の知識が感じられます。
妾や娼婦、姦通罪があった時代。才覚で成功を信じた者たち。
感情のベクトルの振り幅の激しさは豪快でいい加減であると共に、
人間臭さが濃く表れています。
寸鉄人を殺す&ペンは剣よりも強し!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 人物伝
感想投稿日 : 2021年1月18日
読了日 : 2021年1月18日
本棚登録日 : 2021年1月6日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする