ふたたびの虹: 日本橋牡丹堂 菓子ばなし(三) (光文社文庫 な 43-4 光文社時代小説文庫 日本橋牡丹堂菓子ばなし)
- 光文社 (2018年7月11日発売)
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日本橋牡丹堂シリーズ第三弾。牡丹堂での小萩の日々。
・初秋 うさぎが跳ねるか、月見菓子・・・女房を亡くした袋物屋の
ご隠居。小萩は茶話会のお菓子の希望を聞くために、
彼の元を訪れるのだが。想い出に添う菓子。月を愛でる菓子。
・晩秋 留助の恋と栗蒸し羊羹・・・お福の代わりに見世に出る小萩。
客あしらいに悩むのだが、留助の恋の行方も気にかかる。
・初冬 若妻が夢見る五色生菓子・・・祝い菓子の注文が二転三転。
苦慮する牡丹堂の面々。そして千草屋でも事件が起こる。
・仲冬 秘めた想いの門前菓子・・・千代吉と絶縁した娘の縁を
取り持つために、思い出の菓子を探す。託す手紙の想い。
この巻でのもう一人の主人公は千代吉姐さん。
見世のおかみのお福、小萩の母お時と縁がある彼女が最初の話に
登場、最後の話に再登場するまでの季節の進行と物語での構成。
家族の在り方を描く話が盛り込まれています。
2冊目は話がごちゃごちゃした印象でしたが、今回はすっきり。
小萩の学びも、きちんと姿を現してきました。
菓子作りに、菓子帖の記録、お福や弥兵衛から教わること。
留助やお文からも良い影響を受けています。
特に、見世での接客の大事さ。ほぉ、漢詩も勉強し始めたのね。
そして、幹太の成長ぶりが良かったなぁ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
文学(日本)
- 感想投稿日 : 2020年7月29日
- 読了日 : 2020年7月29日
- 本棚登録日 : 2020年7月16日
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