鯖猫長屋ふしぎ草紙(八) (PHP文芸文庫)

著者 :
  • PHP研究所 (2020年3月6日発売)
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感想 : 26
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鯖猫長屋の画師・拾楽と長屋を仕切る猫のサバ。
人情あり、怪異あり、ミステリーありの時代劇連作短編集、第八弾。
謎めいた白い鴉に翻弄される、拾楽とサバ。そして長屋に危機が!
其の一 ぼんくらになった猫・・・太市とお智の行方は?
   探る拾楽だが、サバの様子もおかしい。始まりは白い鴉。
其の二 頭に血が上った同心・・・「白鴉」と名乗る少年は何者?
   そしてサバが反撃に。立て籠もりの男の正体が判明する。
其の三 縁を結んだ犬・・・立て籠もった男の家にいた犬くろは、
   恋仲の娘が飼い主。立て籠もり事件は無事解決することに。
其の四 狙われた長屋・・・「白鴉」の企み、対峙する拾楽とサバ。
   ついに「白鴉」は事件を起こすのだが、その理由とは。 
冒頭に、根津・上野・池之端と下谷・上野の絵図、
鯖猫長屋をめぐる猫と人々、鯖猫長屋<見取図>有り。
画師・拾楽と猫のサバのコンビが活躍する、時代劇の8冊目。
不可思議な能力を持つ少年と白い鴉に翻弄される登場人物たち
でしたが、サバとさくらの大活躍と拾楽の立ち回り、そして
掛井の拳骨で、あっけなく大団円~スカッとしました。
仲間が、友が欲しい。居場所が欲しいという「白鴉」の叫びは、
家族が欲しいと言った『鬼滅の刃』の累と重なる感じ。
でも、実は望む者は身近にいた。彼を諫める二キの隠居の言葉、
「自らが信を置いて貰える人間になれ」を心に留めてほしいです。
心ならずも事件を起こし、二キの隠居に拾われた寅次は、
今後も登場しそうですね。出来れば、くろも(^^♪

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文学(日本)
感想投稿日 : 2021年3月23日
読了日 : 2021年3月23日
本棚登録日 : 2021年3月3日

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