絵はがきで楽しむ歴史散歩: 日本の100年をたどる

著者 :
  • 青弓社 (2016年5月25日発売)
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感想 : 2
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絵はがきは、その時代の証言でもある。
明治・大正・昭和・戦後の復興・高度成長期の当時の様子を、
様々な姿を残している。日本の100年の歴史を多くの
絵はがきから辿り、解説する。
・はじめに 絵はがきを集めた人々
・東京名所案内 絵はがきと知識人
・都市の近代 絵はがき研究書拾い読み
       カラーで見る絵はがきの世界
・人々の暮らしと文化 ・近代史を駆け抜けた人々
・新しい制度、新しい技術、新しい産業
       絵はがきを商う人々
・戦後復興と高度成長の風景
参考文献有り。
・おわりに 絵はがき、この不可思議なるもの

「宮部みゆきが「本よみうり堂」でおすすめした本 2015-2019」で
紹介された本から選んだ、一冊です。
明治期から高度成長期にかけての多くの絵はがきは、
モノクロやカラー(たぶん手彩色)で当時の様々な姿が見える。
それは歴史の中の一場面、人々の様子や今は見られぬ光景。
女性たち、相撲取り、著名人、観光地、最新の技術など。
清水次郎長の肖像もある。
有名無名の画家の作品や観光地図もある。
加えて、絵はがきになった理由やエピソードを加えての解説。
忠犬ハチ公、明治期に石造りに架け替えられた日本橋、
戦前の両国国技館、国策航空会社、養狐業には驚き。
地方では、五稜郭旧役所、仙台陸軍幼年学校寝室、
木造の万代橋、戦前の道頓堀、桜島の火山灰に埋もれた神社、
微笑ましい桜島大根と子どもの姿、遊園地など。
戦前の大連、哈爾濱、上海の姿も。戦後は名古屋テレビ塔など。
絵はがき収集家の先達による著書やコレクション、
絵はがきを商う人々の話も面白かったし、
梨本宮妃、宮武外骨、折口信夫が収集家だったとは。
知識人の送った絵はがきも興味深かったです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本史
感想投稿日 : 2024年2月27日
読了日 : 2024年2月27日
本棚登録日 : 2024年2月18日

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