自然豊かな小豆島でのヤギたちとの暮らしを綴る、エッセイ。
雑草除去としてやってきた、ヤギのカヨ。
初めてのヤギ飼い、初めて一匹で飼われるヤギ。
日を経るにつれて、少しずつお互いが寄り添ってゆく。
それは、著者とカヨの信頼と愛情の日々。
だがカヨが妊娠して子育てを繰り返す、その様子への葛藤。
仔は増えて成長するし、個々の個性もばらばら。
何と言っても本能の凄まじさ。まさに命が行動している!
発情、交配、出産、誕生、成長、別離、去勢、死など、
ヤギたちに振り回される日々は、命に向き合う日々でもある。
オロオロしながらも命に立ち向かってゆく、著者の姿が逞しい。
成長したカヨとその家族を愛し、見守る著者の眼差しも良かった。
あとがきの「カヨと私とプラテーロ」も著者の心情を
垣間見た感じ。著者とカヨとの関係性が何とも愛おしいなぁ。
挿絵のヤギたちの絵がステキで、特に月を仰ぐカヨの姿が好き。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
エッセイ
- 感想投稿日 : 2023年9月17日
- 読了日 : 2023年9月17日
- 本棚登録日 : 2023年6月3日
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