この星

著者 :
  • KTC中央出版 (2002年4月2日発売)
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本棚登録 : 89
感想 : 6
3

■書名

書名:この星
著者:林原 めぐみ

■概要

「のほほん」「逃げる」「この星」「おうばいとうり桜梅桃李」の
4編のショートストーリーから成り立っている一冊。

【のほほん】物静かな父、ときおり不安定になる母。日常よくあるド
ライブのワンシーンから広がる家族の機微。なにかとキレやすいご時世、
のほほんの境地ってどうやったら到達できるんだろう……。

【逃げる】夢から逃げた一流商社マンと、現実から逃げた売れないミュ
ージシャン。逃げたという過去を悩む2人は、今を精一杯生きる女友達
に触発される。悩むってまだ余裕があることなのよ……。

【この星】この星は2つで1つ。なにかを選んだ瞬間に相反するもう
一つのものが生まれている。男と女、黒と白、光と闇、生と死、戦争
と平和……。だから、どれを選んでも間違いなんてないんだよ。

【桜梅桃李】梅に囲まれた1本の桜。梅の花が咲きだすと、つられて
花を咲かせてしまう困った木。まわりなんて気にしないで、焦らず慌
てず自分の持っている良さを活かせばいいのに……。

■感想

絵本的な感じの本です。
文章と写真で構成されています。

相変わらず、全ての物語が前向きで、少し力を抜いてもいいと言
っているような物語ですね。

どの物語も、日常を切り取って、教訓らしきもの入れ込み、最後は
また日常に戻っていく物語です。ただ、全ての物語で戻った日常は
最初の日常とは少しだけ違う感じになっています。

この人は声優さんだけど、自分の言葉で何かを表現することに長けて
いるのでしょうね。

そこまで特徴的ではないけど、この温かい感じは、この人の特徴とし
て十分だと思います。

何気なく開いて読むといい本だと思います。

■気になった点

・傷をなめなう仲というならそれでもいい
 いろんな立場や境遇や、言い訳や
 そこにはやはり安心がある

 でも、そこから抜け出したいのなら
 まるで空気の違う人間が必要なのかもしれない

・悩むってさあ、余裕なんだってよ
 戦争中、生きるか死ぬか
 明日の食べ物さえままならないとさあ
 悩んでいる暇も無いんだって

・梅桜桃李(おうばいとおり)

 梅には梅の良さ
 桜には桜の
 桃には桃の
 李には李(すもも)の良さがある

 そして
 けっして梅は桜になれない
 桃にも李にも
 それぞれがぞれぞれのよさを大切にせよ

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本:ビジネス
感想投稿日 : 2011年8月29日
読了日 : 2011年8月29日
本棚登録日 : 2011年8月29日

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