■書名
書名:この星
著者:林原 めぐみ
■概要
「のほほん」「逃げる」「この星」「おうばいとうり桜梅桃李」の
4編のショートストーリーから成り立っている一冊。
【のほほん】物静かな父、ときおり不安定になる母。日常よくあるド
ライブのワンシーンから広がる家族の機微。なにかとキレやすいご時世、
のほほんの境地ってどうやったら到達できるんだろう……。
【逃げる】夢から逃げた一流商社マンと、現実から逃げた売れないミュ
ージシャン。逃げたという過去を悩む2人は、今を精一杯生きる女友達
に触発される。悩むってまだ余裕があることなのよ……。
【この星】この星は2つで1つ。なにかを選んだ瞬間に相反するもう
一つのものが生まれている。男と女、黒と白、光と闇、生と死、戦争
と平和……。だから、どれを選んでも間違いなんてないんだよ。
【桜梅桃李】梅に囲まれた1本の桜。梅の花が咲きだすと、つられて
花を咲かせてしまう困った木。まわりなんて気にしないで、焦らず慌
てず自分の持っている良さを活かせばいいのに……。
■感想
絵本的な感じの本です。
文章と写真で構成されています。
相変わらず、全ての物語が前向きで、少し力を抜いてもいいと言
っているような物語ですね。
どの物語も、日常を切り取って、教訓らしきもの入れ込み、最後は
また日常に戻っていく物語です。ただ、全ての物語で戻った日常は
最初の日常とは少しだけ違う感じになっています。
この人は声優さんだけど、自分の言葉で何かを表現することに長けて
いるのでしょうね。
そこまで特徴的ではないけど、この温かい感じは、この人の特徴とし
て十分だと思います。
何気なく開いて読むといい本だと思います。
■気になった点
・傷をなめなう仲というならそれでもいい
いろんな立場や境遇や、言い訳や
そこにはやはり安心がある
でも、そこから抜け出したいのなら
まるで空気の違う人間が必要なのかもしれない
・悩むってさあ、余裕なんだってよ
戦争中、生きるか死ぬか
明日の食べ物さえままならないとさあ
悩んでいる暇も無いんだって
・梅桜桃李(おうばいとおり)
梅には梅の良さ
桜には桜の
桃には桃の
李には李(すもも)の良さがある
そして
けっして梅は桜になれない
桃にも李にも
それぞれがぞれぞれのよさを大切にせよ
- 感想投稿日 : 2011年8月29日
- 読了日 : 2011年8月29日
- 本棚登録日 : 2011年8月29日
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