本の読み方というタイトルを見ると、まるで読書法を教えてくれるかのような気になる。しかし、本書はそうでない。どこで、どんな姿勢で読むかを、古今東西の本を引用しながら説いたものである。たとえば、旅に出て電車の中で読書するのはぼくも大好きだ。電車でとなりの人の本を盗み見するのは新聞ならともかく本では難しい。女性を膝に乗せて読むというのもある。河上肇のように、獄中での読書を紹介したものもある。河上は自ら獄につながれ、刑期を全うするのだが、その間読んだ本は宗教書よりも漢詩集の方が多かったそうだ。また、書斎にいるからといって、ずっと読書ばかりしているだけでない。意外と余計なことをしているのだというのは当たりである。
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- 感想投稿日 : 2019年10月26日
- 本棚登録日 : 2019年10月26日
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