原発文化人50人斬り

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  • 毎日新聞社 (2011年6月18日発売)
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これまで原発推進にかかわってきた文化人批判である。確信犯もいれば、深く考えず、おそらくは広告料にのせられ、原発に旗を振った芸能人もいるに違いない。そういう人がテレビにでてくると「痛い」。内心は後悔している人もいるに違いないがあまり見たくなくなる。あまり偉そうなことは言えないが、人の宣伝をするときはよく考えてしなくてはいけない。本書は原発推進派だけでなく、原発に反対した人たちの列伝でもある。その一人高木仁三郎さんと著者は懇意だったようで、高木さんの塾に呼ばれ官僚批判の話をしたが、高木さんは、佐高さんの煽動ぶりにあまり感心しなかったという。つまり、煽動では人の心に届かないと思ったようだ。高木さんは同じことを広瀬隆さんにも感じたようだ。この点はとても共感した。佐高さんは、広瀬さんのことを「広瀬はいつも、読者に、見えなかったものが見えてくる快感を味わわせるが、そのために彼が払っている努力は並大抵のものではない」という。ぼくもそう思う。広瀬さんは人が見えないものを、とことん調べることで見つけるのである。CO2の嘘や、電気はないのではなく、大きな企業の電力を、電力会社が買わないことからきているとか。東京電力では、のちに原子力推進派になるが、電力国家管理に体をはって抵抗した木川田を高く評価する。小出裕章さんも反原発の群像の一人だ。

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感想投稿日 : 2011年6月20日
本棚登録日 : 2011年6月20日

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