零度のエクリチュール

  • みすず書房 (1971年7月1日発売)
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本棚登録 : 110
感想 : 7
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古書店にて200円(書き込み有り)。初ロラン・バルトに代表作というのは悪くない巡り合わせなのでは。序文で早くもフローベールやらマラルメやら出てきて否応なくテンションが上がる。ページにして100ページ弱、しかし〈文学〉に注がれるその透徹な眼差しと過不足なき記述は、構造主義の古典たる資格を有するに充分であり、著者をして〈調子も主題も違う〉が〈対象は同じ〉と言わしめた「記号学の原理」も、お堅い題名に反し、言語学の中から一般的射程を持つであろう概念を切り出すという、なかなか刺激的な内容となっている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 哲学
感想投稿日 : 2016年4月19日
読了日 : 2016年4月19日
本棚登録日 : 2016年3月21日

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