君たちはどう生きるか (岩波文庫 青 158-1)

著者 :
  • 岩波書店 (1982年11月16日発売)
4.18
  • (1261)
  • (978)
  • (545)
  • (61)
  • (26)
本棚登録 : 11734
感想 : 1174
5

コペル君の体験や思い、考えたことを記す前半と、コペル君のおじさんがコペル君に宛てたノートで語る後半、という形で、物語が何章かに分けて展開されます。
語られるテーマは倫理や資本論など固いものが多いのですが、物語の主人公は15歳の中学生であるコペル君なので、
おじさんのノートも親しみやすくわかりやすい文体でした。

友人や家族との交流を通して様々なことを学び、体験して世界を広げていくコペル君。
その中で一番心に残ったのは、雪の日、北見君をはじめ友人を裏切ってしまった時。おじさんとお母さんがコペル君にかけた言葉でした。

○おじさんのノート
僕たちは、自分で自分を決定する力をもっている。だから誤りを犯すこともある。
しかしーー
僕たちは自分で自分を決定する力をもっている。だから、誤りから立ち直ることも出来るのだ。 

○お母さんの言葉
その事だけを考えれば、そりゃあ取り返しがつかないけれど、その後悔のおかげで、人間として肝心なことを、心にしみとおるようにして知れば、その経験は無駄じゃあなんです。それから後の生活が、そのおかげで、前よりもずっとしっかりした、深みのあるものになるんです。(中路)
だから、どんなときにも、自分に絶望した
りしてはいけないんですよ。

この言葉は、今後自分がどう生きていくかという問いに対して、変わらない指標になるものだと思いました。
ずっと覚えておきたいと思いました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年1月18日
読了日 : 2023年1月18日
本棚登録日 : 2022年12月30日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする