コペル君の体験や思い、考えたことを記す前半と、コペル君のおじさんがコペル君に宛てたノートで語る後半、という形で、物語が何章かに分けて展開されます。
語られるテーマは倫理や資本論など固いものが多いのですが、物語の主人公は15歳の中学生であるコペル君なので、
おじさんのノートも親しみやすくわかりやすい文体でした。
友人や家族との交流を通して様々なことを学び、体験して世界を広げていくコペル君。
その中で一番心に残ったのは、雪の日、北見君をはじめ友人を裏切ってしまった時。おじさんとお母さんがコペル君にかけた言葉でした。
○おじさんのノート
僕たちは、自分で自分を決定する力をもっている。だから誤りを犯すこともある。
しかしーー
僕たちは自分で自分を決定する力をもっている。だから、誤りから立ち直ることも出来るのだ。
○お母さんの言葉
その事だけを考えれば、そりゃあ取り返しがつかないけれど、その後悔のおかげで、人間として肝心なことを、心にしみとおるようにして知れば、その経験は無駄じゃあなんです。それから後の生活が、そのおかげで、前よりもずっとしっかりした、深みのあるものになるんです。(中路)
だから、どんなときにも、自分に絶望した
りしてはいけないんですよ。
この言葉は、今後自分がどう生きていくかという問いに対して、変わらない指標になるものだと思いました。
ずっと覚えておきたいと思いました。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年1月18日
- 読了日 : 2023年1月18日
- 本棚登録日 : 2022年12月30日
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