舞台は日本製紙石巻工場…震災により壊滅的な被害を受けもはや再建は不可能ではないか…自身も被災し家族、友人知人を亡くしたり、住居を失った者もいる…そんな中ではあったが、半年後に目標を据えまずは出版社からの要望の強い8号抄紙機を回そう…と職員一丸となって奮闘した記録。
図書館で借りた本、自分で購入した本、雑誌、新聞、広告…すべての紙が愛おしく感じられるようになった作品です。やっぱり、本のページをめくる…私これが好きだから読書してるんだなぁ…そう思ったし、もしこのときに復興を成し遂げていなければ、本を読む機会は減っていたでしょう。8号抄紙機が回った時は、感無量、じーんときました!
あと、この作品のいいところは復興に向かって被災者同士が助け合う場面のみでなく、助けられなかった命のことや被災者が生活に困りモラルに反する行為があったこと…など、苦しい視点なども盛り込まれていること…震災の記録としても優れていると感じました。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
佐々涼子
- 感想投稿日 : 2022年11月6日
- 読了日 : 2022年11月6日
- 本棚登録日 : 2022年11月5日
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