ビルマの竪琴(新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1959年4月15日発売)
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本棚登録 : 36
感想 : 4
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だいぶ前から家にあったので手に取った。

収容所の近くにくるビルマ僧が水島なのか、そうじゃないのか、を軸に話が進む。
それだけ尺を使っているのだから当然水島なのだろう、という思いが途中から湧いてくるが、ヒントを小出しにされるので飽きずに読み進められる。
そして水島であったことが判明してからの、本人の回想シーンは劇的な展開が続き面白い。
無駄な戦いを止めるために日本兵を独力説得したり、怪我した水島に御馳走を出してくれた親切な人たちが人食い種族だと判明して食われそうになったり、そして水島がビルマ僧になった理由が判明したりと、なかなか心を揺さぶられる。
山のように積まれた戦死体を目の前にしたら、圧倒的な無力感と追悼の意を感じずにはいられないだろう。

ところでオレたちひょうきん族で「入間の竪琴」というパロディが制作されたらしい、天才か。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年7月5日
読了日 : 2021年7月5日
本棚登録日 : 2021年7月5日

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