「ミス・ブランチ」
分厚い透明アクリルに薔薇の造花を埋め込んだ椅子。
1988年、東京デザイナーズウィーク「KAGU」展。テーマは「欲望」。
映画「欲望という名の列車」。元の題名「月光の中のブランチのイス」。
ブランチはその主人公。
倉俣の作品は、多くは、実在性を消去。機能性に重心を置いていない。
そこに存在するだけでいい。
この書籍、倉俣作品の解説書だが、肝心の作品が半数は載っていない。
乗っていても、モノクロ写真。
解説というより、デザイナー川崎和男の思い入れの強い説明過剰な解釈書。
そこまで深く追求しないでほしいとも感じる。
実在性がない透明で幾何学的なカタチ。
宙を舞う、時が止まった造花の薔薇。
死相感が漂う。
若くして晩年の作品。
なお、小説『かたちだけの愛』の義足のアイデアの元にもなっている。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
デザイン
- 感想投稿日 : 2013年1月23日
- 読了日 : 2013年1月22日
- 本棚登録日 : 2013年1月21日
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