蒼氓 (新潮文庫 い 2-5)

著者 :
  • 新潮社 (1951年12月1日発売)
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本棚登録 : 167
感想 : 17
5

登場人物が多すぎて把握できない
誰を記憶に残すべきだろうか?
後々登場することがあのだろうか。
もしかしたら再読が必要かも。

読了して、なんだか心がほっとした。
志はや野心は砕かれたけど、今から始まる新生活に安心感が持てた終わり方だった。

物語は3つのパートで進んでいく。
ブラジル移民者が神戸で集合準備をする8日間。
出港してブラジルにつくまでの45日間。
ブラジルで配属地につき働きだすまでの通日。

移民者は百姓の中でも貧しい人たちのようだ。田畑を売り、背水の陣で移住に臨む。出港できた人、できなかった人。航海の中での心境の変化。別れとここで生きるという覚悟を決める。人々の様子が丁寧に描かれていた。

この激動の中で、いろいろな心情や思惑があるが、押しつけがましくない後味。珍しいなと思った。もっとセンセーションに描くことで見せ場や波を作ることもできたのに、穏やかな波のように物語が進んでいく。この方のほかの本も読みたいと思った。

第一回芥川賞受賞作品

第一部 蒼氓(芥川賞受賞 S10 1985発表)
第二部 南海航路(S14 1939発表)
第三部 声無き民(S14 1939発表)

蒼氓 そうぼう 民、人民の意味

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 9 文学
感想投稿日 : 2022年11月6日
読了日 : 2022年11月18日
本棚登録日 : 2022年11月2日

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