登場人物が多すぎて把握できない
誰を記憶に残すべきだろうか?
後々登場することがあのだろうか。
もしかしたら再読が必要かも。
読了して、なんだか心がほっとした。
志はや野心は砕かれたけど、今から始まる新生活に安心感が持てた終わり方だった。
物語は3つのパートで進んでいく。
ブラジル移民者が神戸で集合準備をする8日間。
出港してブラジルにつくまでの45日間。
ブラジルで配属地につき働きだすまでの通日。
移民者は百姓の中でも貧しい人たちのようだ。田畑を売り、背水の陣で移住に臨む。出港できた人、できなかった人。航海の中での心境の変化。別れとここで生きるという覚悟を決める。人々の様子が丁寧に描かれていた。
この激動の中で、いろいろな心情や思惑があるが、押しつけがましくない後味。珍しいなと思った。もっとセンセーションに描くことで見せ場や波を作ることもできたのに、穏やかな波のように物語が進んでいく。この方のほかの本も読みたいと思った。
第一回芥川賞受賞作品
第一部 蒼氓(芥川賞受賞 S10 1985発表)
第二部 南海航路(S14 1939発表)
第三部 声無き民(S14 1939発表)
蒼氓 そうぼう 民、人民の意味
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
9 文学
- 感想投稿日 : 2022年11月6日
- 読了日 : 2022年11月18日
- 本棚登録日 : 2022年11月2日
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