ロマンシエ

著者 :
  • 小学館 (2015年11月25日発売)
3.52
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本棚登録 : 1371
感想 : 204
2

今まで読んだ原田マハさんの本とはちょっと違ってた。
いつものこの人の書く本は美術関係で、ちょっと取り澄ました感じ・・・というのが私の印象だったけど、今回はかなりオチャラケという感じだった。
何故って、主人公のキャラがオネエで、彼の脳内の言葉で文章を綴られている部分が多いから。
話の展開だとか、トントン拍子で進んでいくストーリーとか、まるで少女漫画のような本だった。

主人公は男性だけど、中身は女性という美大生。
同級生で友人の男性に恋心を抱いているも、告白できず普通の友達としてふるまっている。
家が金持ちでおぼっちゃまだと思われる彼は卒業後、メチャクチャ年上の女性と結婚するように、と親に言い渡される。そんな折、卒業制作の作品が最優秀作になり、彼はパリの美術学校に留学する事となる。
すんでの所で結婚から逃れた彼はそこで様々な人と出会う。
その内の一人・・・見た目は女性か男性か分からないゴッツイ顔の女性は実は彼が大好きなハードボイルド小説を書いている作家だった。
人気作家の彼女は実は今は小説が書けない状態になっていた。
そして、そんな彼女につきまとう男たち。
やがて、主人公自身も彼女や周囲の人間の影響でリトグラフの世界に目覚める。

あまりにも展開がお手軽でご都合主義すぎる。
そして、それに合わせたように文章も軽い。
ただ、主人公の性格が草食系らしく優しくて、見ていて嫌な感じがないし、オネエが出てるテレビ番組を見ているように明るい雰囲気ではある。
それとBL小説らしい性描写だとかそんな要素が一切ないので、そういうのに拒否反応がある人も読めるとは思う。
ただね~、やっぱ内容があまりにも薄くて・・・。
軽く読むにはいいかな~という感じだった。

個人的には主人公がリトグラフに目覚めて、作品制作に打ち込んでいる所なんかも書いてほしかった。
彼が美術に天才的な才能があるっていっても、それが具体的に伝わってこなかったのが残念。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 原田マハ
感想投稿日 : 2016年11月5日
読了日 : 2017年3月16日
本棚登録日 : 2016年11月5日

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