ビューティーキャンプ

著者 :
  • 幻冬舎 (2016年2月25日発売)
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本棚登録 : 499
感想 : 72
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テレビか何かで紹介されているのを見て興味をもった本。
図書館で借りて読みましたが、思ったよりも内容が薄かった。
書きたい世界観は伝わってくるんだけど、そこまでいききれてないという印象。

この本の主人公はミスユニバースの女性プロデューサー、エルザの通訳をする女性。
彼女の目線から世界一の美女を目指す女性たちの様子やその世界、エルザという女性について描かれている。
ミスユニバースを目指す美女たちはエルザの主催するビューティーキャンプに参加し、そこで世界一の美女になるため鍛えられる。
その間に、元カレがらみの借金でヤクザにからまれる女性がいたり、カレにミスユニバースのファイナルに参加する事を反対されやめると言い出す者がいたりと、様々なトラブルがありつつ・・・。

今までミスユニバースという世界について書かれた本を読んだ事がなかったので、「ああ、こういう世界なんだな~」と興味をもって読めた。
ただ、思ったほどドロドロした女どうしの足の引っ張りあいがある訳でなし、エルザというカリスマ性をもつ外人の女性プロデューサーがどこまで知っても惹かれるような人柄でないし、主人公にも魅力を感じないし・・・で、とにかく、全体的にうすらぼんやりしている印象を受けた。
厳しくて毒をもつカリスマプロデューサーのちょっと人間らしい面とか弱い面とかが見えたらぐっと惹きつけられたのに・・・。

ただ、ひとつの目標をもつ事によって強くたくましくなっていく主人公や美女たちの様子は読んでいて何となく分かるような気がした。
本当に自信をもつ事って、こういう事なんだな~と・・・。
そこにエルザという女性の吸引力とか、近くにいると感化されるカリスマ性みたいなのを感じた。

美しいが故にいじめられたり、背が高い事を劣等感に感じたり、そんな様子を見るとぜいたくな悩みのように思えるけど、プラス面でも人と違うという事は何かとやりにくいのかな~と思ったりした。
あと、結末を見ると、実力よりも結局は最も強くてしたたかな人間が勝ち残るって事か・・・と思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 林真理子
感想投稿日 : 2016年11月19日
読了日 : 2017年3月16日
本棚登録日 : 2016年11月19日

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