「自分のために生きていける」ということ―寂しくて、退屈な人たちへ

著者 :
  • 大和書房 (2004年9月1日発売)
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本棚登録 : 271
感想 : 28
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毎日が退屈です。このままではいけない、何かしなければと思うのですが、何をすればいいのかわかりません。どうしたらいいでしょうか?

こういった質問に答えていく形で、大人の退屈だ、寂しいという思いからギャンブル、アルコールなどの嗜好、人間関係のパワーゲームにはまってしまう心の仕組み、対策を説いた本。

読んでいて感じたのはそういう寂しさ、生きづらさを感じている人にあせりを感じさせない内容だということ。
徹底して「それでいい」となっていて、怒りなどマイナスとされる感情にしてもそうだし、アルコール依存症にしても「あきらめた」時にこそ新しい道が開けるとある。
ただ、例外として嫉妬や恨みの感情はよくないとはある。
それは感情鈍麻の状態になってしまうから。

読んでいてホッとしたり安心できる本だと思う。
だけど、読み終えて何を書いてあったか具体的に言ってと言われると「う~ん・・・。何だっけ?」という内容ではあった。
こういう本は読み時の心の状態によって受け取るものが違うので、別の機会に読めばたくさん受け取るものがあるのかもしれない。
多分、今の自分がこの本の内容に合ったモードじゃないんだと思う。

ただ、そんな中でも私がこの本で最も印象に残ったのは、「安全な場所」の定義。
『「安全な場所」とは、みんながあなたに関心を持ってくれ、あなたがそこにくるのを待ってくれている場所、あなたがいないと不思議がられて、いて当たり前と思われる場所です。』
この文章にはハッとなって、その通りだ、私が欲しているのは正にその場だ、と思った。
そして、この定義に照らし合わせて自分の過去いた場所を思った時、そこから逃げ出した自分を少し肯定できる気分になれた。
それだけでもこの本を手にして良かった。
また、この人の別の本も読んでみたいと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 生きるヒントをくれる本
感想投稿日 : 2016年8月29日
読了日 : 2017年3月16日
本棚登録日 : 2016年8月29日

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