主人公はフリーライターの男性。
濃密な関係を求める家族から逃れ、一人暮らしをする彼は行きつけのレストランで一人の女性と出会う。
夫婦二人で営む店にウェイトレスとして働く事となったその女性はほとんど化粧気がなく影の薄い女性だった。
主人公はそんな彼女に何となく惹かれ、何度かデートを重ねるが、会話の中である時期の記憶が彼女にない事に違和感を感じるようになる。
その空白の期間には思いもしない衝撃的な過去があった。
社交的で人好きする性格だがその実、家族への愛情の深すぎる主人公の妹。
一見おとなしくて自分からは何も要求しないように見えるがその実、自分だけを愛して欲しいと願う女性。
そんな濃密な愛を特定の相手に要求する人間たちと人と濃密な関係を作る事に恐怖を感じる主人公。
全く違うと思われる両者だが、実は「愛」というものを異常に意識しすぎるという面ではどちらも同じ。
読んでいてこちらも愛の重さにどよ~んと圧しかかられるような息苦しさを感じました。
個人的には、歌神楽女がどうのこうのというくだりはなくても良かったのでは?と思いました。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
明野照葉
- 感想投稿日 : 2013年7月14日
- 読了日 : 2012年4月9日
- 本棚登録日 : 2013年7月14日
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