戦国武将のアンソロジーなのですが、表紙イラストとタイトルからは察しにくい。勿体なく感じた。
各短編のテーマの解説や時代背景と時代小説案内。
カラーではなく白黒の文章への網がけは読みにくい。
『一時の主』矢野隆…下克上・軍師
・黒田官兵衛を殺したのは誰か。
親の時代と子の時代
・下克上について。三大梟雄
『又左の首取り』木下昌喜…合戦の作法
・熱を持て余した獣が、誇り高い虎となるまで。
・合戦の作法の実際、首実検の作法。
「えい、えい、おう!」は、合戦の作法だった。
「礼」は、敵であっても敬う行為である。
『悪童たちの海』天野純希…海賊
・遭難し明国の港でくすぶってた新五郎は、主家が戦国の世に沈んだことを聞き、自由な自分たちの国を夢見て、海賊に身を投じていく。
・海も群雄割拠の時代。ヨーロッパでは、大航海時代。
『鈴籾の子ら』武川佑…戦国大名と家臣
・上杉の影に殺された兄が残したのは籾だった。兄が見すえていたのは…?
・大名と国衆の関係。
『蠅』澤田瞳子…宗教・文化
・太閤の命により十年の歳月をかけて、普請されている東寺の大仏の開眼供養が近づいたある日、巨大な地震が京の町を襲った。
・寺社の戦国は、その特権が剥奪されていく時代だった。
『消滅の流儀』今村翔吾…武将の死に様
松永久秀、その最後に思うのは弟との日々だった。
・武将たちの最後。
奥付の作者名にフリガナあり。優しい;
自分は『又左の首盗り』と『消滅の流儀』が、よかった。
- 感想投稿日 : 2020年8月3日
- 読了日 : 2020年8月3日
- 本棚登録日 : 2020年8月3日
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