鳥類学者の目のツケドコロ

著者 :
  • ベレ出版 (2018年7月11日発売)
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感想 : 10

松原先生の日本の鳥案内
“なわばり”種が違ってもお互いに尊重している。コストをかけるだけの価値があるか。

・ハシブトガラス
都市部に多数生息しているのは、日本だけの特徴。本来スカベンジャーなのに、迷惑がられている皮肉。

・ハシボソガラス
田園ガラス。根気よく餌を探す。クルミを車の前に置いて割るのもこの子。子どものときに、石を裏返すことを覚える。

・スズメとツバメ
スズメ
春は田んぼや畑の虫を食べてくれる。
秋は実ったものを食べちゃう。
人間が好き。人がいなくなると、いつの間にかスズメもいなくなる。
ツバメ
かつては農業害虫を食べてくれる幸運の鳥として大切にされてた。最近は糞を落とす厄介ものにされている場面も。建築の壁がツルツルかつ田んぼのネットリ土が手に入らなくなったので、壁面ではなく何かの上に乗っている巣に変わってきた。

・イエガラス
密航して世界各地にちらばった。インドからヨーロッパでは、イエガラスがよく見られる。

・サギ類
釣り人の友だち。釣った魚を貰う。
←釣れた釣れないなどの判断が出来る
ゴイサギ
←平家物語で、醍醐天皇に正五位を賜ったとの故事
撒き餌で餌をおびき寄せる種もいる。
餌の採り方が兎に角ユニーク。

・セキレイ
セグロセキレイは、ほぼ日本だけの鳥。
水辺の環境が好きなセグロセキレイは住む場所が限られてきている。
どこでもOKなハクセキレイの分布が広がっている。

・ヒヨドリ
果実食。ナンテンの実が好き。
葉っぱは鳥も人間も消化できない。…なので、人にはダイエット食になる。
←ツグミが怖い←シロハラが来ると逃げる

・ミヤマガラスとコクマルガラス
冬鳥。中国から日本へ。集団で動く。
農耕地を好み、人間から距離を置いている。
若者とベテランでクチバシの色が違う。
最近分類が変わった。カラス科だが、カラス属では無い。

・カワセミ
ママチャリのブレーキ音みたいな鳴き声。
凶暴。餌がデカく(魚)、頭をたたきつけてトドメを刺すことも。虫も食べる。
かつてはそこら辺にいる鳥だった。けして、清流だけに住む鳥ではない。護岸工事の施された川辺の壁に営巣出来ないのが原因。

・カモ類
野生種も交雑している。メスへのカモハラが凄い。カップルになるとオスはメスをカモハラから守る。

・チドリ
木の上に止まれず、巣も地面の上。が、見つけるのはほぼ不可能。隠蔽が凄い。自分のタマゴのサイズの石があるところに産卵する。柄についてはよく分かってない。
植生は茂り過ぎると見渡しが悪くなって離れる。洪水は植生や土壌をリセットしてくれる。チドリは折り込み済み。

・イソヒヨドリ
カワセミに似ているが鳴き声が綺麗。
海辺の鳥と思われていたが、町中に進出、都市鳥になろうとしている。

・チョウゲンボウとハヤブサ
ビルに営巣している姿が見られる。
猛禽類だが、ハヤブサはワシ・タカとは近縁ではない。
時速400キロを出す飛行能力。

・トビ
会いにいける猛禽類。狩りよりはスカベンジャー寄り。省エネの飛び方で小回りがきかない。
食性がカラスと似ており、住む場所を重ねられない。追い出される。
人間からの給餌行動がトビに人の手から食べ物を奪う学習をさせてしまった。
野生と人間との程よい距離。

・ウグイス
ホーホケキョと鳴くようになったのは中世。それまではウーグイスと鳴いていた。
いい鳴き声の先生につくと上手く鳴けるようになる。
真っ赤なタマゴ。ホトトギスに托卵されないように。が、ホトトギスの偽装が追いついてきた。

☆研究の目のツケドコロ、方法。
☆マナーのない撮りファンはどのジャンルでも迷惑
☆簡単に人間目線の感情をのせるのはよくない。
☆「鳥の分類は頻繁に変わる」←恐ろしい…。学校図書館的に

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 4類:自然科学
感想投稿日 : 2021年5月30日
読了日 : 2021年6月1日
本棚登録日 : 2021年6月1日

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