ユリウス・カエサルのルビコン以降の物語。ガリア(西・南ヨーロッパの平定を終え、ローマに帰ろうとするカエサルに、盟友ポンペイウスが立ちはだかる。ローマの発展という目標を共にする二人だが、共和性・寡頭性と帝政という、手段が異なっていたということか。圧倒的戦力・海軍力を持つポンペイウスに対し、カエサルは一時敗退するが、最終的には戦略が物を言い、大勝利する。カエサルに心酔する将兵と、前例に囚われない大胆な戦略が功を奏する。それまで優位な方についていた諸国も雪崩を打ってカエサルの元に馳せ参じ、勝負あり、地中海世界はカエサルのものとなる。その後、クレオパトラとの交際、ローマへの帰還を果たし、いよいよ帝政を整えようとした矢先、凶刃に倒れる。この暗殺も行き当たりばったりのもので、暗殺者たちもその後のことは一切考えていなかったらしい。こんな連中に、世界史上稀に見る大活躍を果たした英雄が殺されるとは。その後は、ポンペイウスと、カエサルの後継者の指名を受けたオクタヴィアヌス(のちのローマ初代皇帝アウグストゥス)の後継者争いが起こるが、これを戦略的に勝ち抜いたオクタヴィアヌスの帝政が始まり、いわゆるパクス・ロマーナの時代が始まる。本当にローマの歴史は面白い。
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- 感想投稿日 : 2023年9月16日
- 読了日 : 2023年9月16日
- 本棚登録日 : 2023年5月28日
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