欲望の資本主義3: 偽りの個人主義を越えて

  • 東洋経済新報社 (2019年6月28日発売)
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資本主義を考える月間4冊目。見えざる手による競走で最適化するはずの市場だが、GAFAの支配に警鐘を鳴らすギャロウェイは、GAFAによりイノベーションが起こらない時代になっていると主張する。将来有望なスタートアップを買収することで将来の競合を潰す。インスタ、YouTube、WhatsAppなど。適切に納税もしない。会社を分割して、競争させることが社会に利益につながると説く。ノーベル経済学賞受賞のティロールは、資本主義は統治の形態、市場経済は企業の競争であり、いずれもルールと規制が必要と主張する。確かに大企業や大富豪に有利なルールでは、正しい統治も競争も起こらない。そしてガブリエルは、ポストトゥルースを「真実やまやかしが存在しないかのようにふるまうこと」「知識よりも意見が尊重されること」と見抜く。事実よりインフルエンサーの意見に振り回されることがあることを思いだす。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2021年2月13日
読了日 : 2021年2月13日
本棚登録日 : 2021年1月23日

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