「もの食う人々」が衝撃的な一冊だったので、その続編である本書を楽しみに購読。著名人や責任者ではなく、市井の人々との会話から、本質的なことを抉り出そうという試み。チェルノブイリの廃墟になったマンションから風景を見たいという理由で危険を犯して入り込むが、そこで見たのは、ウクライナ人運転手をあからさまに差別する通訳とガイドの男女。取材のため車外に出る著者についていけと運転手に命令し、二人は社内で情事に耽る。政治もへったくれもない。このような調子で、東南アジアのスラム街や、アフリカのエイズの街を取材する。なんというか、息遣いや体臭が感じられそうな書き振りである。
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- 感想投稿日 : 2023年6月4日
- 読了日 : 2023年6月4日
- 本棚登録日 : 2023年4月29日
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