ビジネスフレームワーク図鑑: すぐ使える問題解決・アイデア発想ツール70

著者 :
  • 翔泳社 (2018年8月1日発売)
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仕事上、課題を整理したり解決に向けた方策をまとめることが多いのですが、自分の切り口がビジネス・スキルからみて正しいのかどうか、毎回頭を悩ませています。

本書は、「問題・課題の発見」から「市場の分析」「戦略立案」など、さまざまな場面で使われる70のフレームワークを見開きで解説した図鑑。
資料作成のノウハウという域をこえて、どういう思考過程を踏めばいいか教えてくれます。「ロジックツリー」や「緊急/重要マトリクス」「PDCA」など馴染みのものもありますが、「オズボーンのチェックリスト」や「ペイオフマトリクス」など、新たに知ったものも多く、興味深く読みました。

はじめに、「考える」ことと「悩む」ことの違い。
曰く、「考える」とは、目的・目標となるゴールを目指して、それを達成するための戦略や方法論を考えること。一方、「悩む」とは、ゴールや制約が曖昧で、何を考えればよいかが不明確なまま思いわずらっている状態。目的・目標をはっきりさせるということは全編で貫かれています。
とりわけ1枚目の「As is / To be」が明確です。
「As is」とは、現状。「To be」とはあるべき理想の姿。そのギャップが問題・課題。仕事とは問題・課題を可視化し、そのギャップを埋めること。何となく感じていたことを明確に指摘してもらって、正直「目から鱗」です。

他のシートも、何のために使うかから始めて、集めるべき数字、ファクト、避けなければいけない態度(実現可能性が低いから排除する等)が丁寧に解説されています。客観的に状況を把握し、論理的に結論を導き出すこと、その過程を他者と共有するために可視化することの大切さが説かれています。考える際の指針として非常に参考になりました。

1冊2000円で、単なるテンプレート集にそれだけの価値あるの?という批評もあるようですが、考える態度を学ぶ参考書と考えれば安いもの。買うかどうかは別として、目を通して損はない一冊だと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年1月30日
読了日 : 2019年1月30日
本棚登録日 : 2019年1月30日

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