産業革命と市民革命以前の絵画は、祈る人(宗教関係者)と闘う人(王侯貴族)の依頼により描かれたもので、それを近代以降の自己表現のために描かれた絵画と同じような視点で見ては絵画は読み解けない。描かれている事物や人物の象徴する意味や製作が依頼された意図など作品の背景となる事柄を丁寧に説明し、絵画を読み解いていく。フェルメールは写真を参考に光を描いている、光を強調するために画調が暗くなった西洋画のネガは実存を写し取る水墨画に近いなど、絵画の門外漢にもわかりやすい解説が読んでいて楽しい。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
芸術
- 感想投稿日 : 2013年9月24日
- 読了日 : 2013年9月23日
- 本棚登録日 : 2013年9月24日
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