木になった亜沙

著者 :
  • 文藝春秋 (2020年4月6日発売)
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感想 : 191
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何かをされる辛さではなく、何かを誰からも決してされない辛さ。みなと同じようにしてほしいのにどうして自分だけ。
転生をして、自分の思いを遂げた亜沙、七未は幸せなのだろうか。落ちるだけ落ちて、他に救いの道はないのか。自分の力ではどうにもならない、世の不条理さや圧力を表している気がした。亜沙と七未の物語はもの悲しく、そして、これでいいんだろうか、と問題提起されてる感じがした。
わたしの手はそんなに汚いかと嗚咽する亜沙に先生はこう答える。「逆です、きみの手は、きれいすぎる」その一言でどれだけ自信がつくか、人(人間)を好きになれるか。大切なのは認めてもらい必要とされること。
自分の中に、思ったよりも、この作家さんはこうという先入観があったのだと気づきました。不思議な世界観だろう、という。気持ちが先に構えていて、先が読めてしまう感が否めなかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年8月26日
読了日 : 2021年8月26日
本棚登録日 : 2021年8月26日

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