悲しい、切ない、美しい思い出という感傷的な部分ではなく、病身の妻に寄り添う夫側から見たシビアな日々。
この物語の夫婦には名前がでてこない。男性目線の捉え方であり、闘病記録のような
重さがあり、最後には明るい気持ちになりたいと思いつつ読む。
諸事にかかわる価値観の違いがいくつかあった。ここに出てくるお見舞いに関しては疑問を持った。よくない例として挙げられてるんだな。でも考えはそれぞれ(?)
闘病については共感して、読んでいて辛いところもあった。
人との間には距離が必要、夫婦であっても夫は夫、妻は妻、離れているからこそ関係が輝くことだってきっとある。<離れることを嫌だと感じている。でも、嫌でなくなるときがいつか来る。そんな予感がする。>
<未来を見ることで明るく生きてきたのだから、未来を見ずに明るく生きる方法が、今はわからない。>
山崎ナオコーラさんの小説は、時代と共に緩やかに変わりゆく価値観に寄り添い、やさしく訴えかけてるんだな(まだ少ししか読んでいないけど)。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年3月22日
- 読了日 : 2021年3月22日
- 本棚登録日 : 2021年3月22日
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