文絵に捜査の手が回ったところまでは予測がついた。が、その後の意外な展開にぐいぐい引き込まれ読みが止まらなくなった。
メンタルに不調を抱え心療内科に通院する文絵、ではあったが、一見平穏な生活に身を置き、平凡な主婦。かつての美貌を失いもんもんとした日々を送っていた。
あるとき、20年以上も会っていない同郷の同級生加奈子にばったり再会する。危ない。(それほど親しくない同級生と)その後連絡を取り合ってもろくなことはない。
鴨葱状態の文絵は、まんまと加奈子の罠にはまってゆく。
加奈子はなぜ文絵を落とし入れたのか。刑事秦、菜月の捜査により次々事件の謎が解き明かされてゆく。なんとも手に汗握る展開だった。
加奈子の本当の名は。
最後に本名で呼ばれたことがいつだったか、懸命に考える。いくら記憶を辿っても、思い出せない。と。
知世は狂っているよ。
一度狂ってしまったらなかなか元に戻せない金銭感覚の恐ろしさを感じた。そして、「繰り返すうちに感覚が麻痺する」恐ろしさ。
自分の生活を守り続けることの大切さ、難しさ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年8月11日
- 読了日 : 2020年8月9日
- 本棚登録日 : 2020年8月9日
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