女子高生サヤカが学んだ「1万人に1人」の勉強法: 知的すぎる無期懲役囚から教わった99.99%の人がやらない成功法則 (小学館文庫 プレジデントセレクト み 1-1)

  • 小学館 (2016年7月6日発売)
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この本を購入したのは2015年の暮れなのでもう5年越し、4度目の読了。

人を殺めて服役中の無期懲役囚と普通の主婦が文通をする。そして高校生の娘サヤカや中学生の息子ヒロキにも文通を勧めて、その無期懲役囚から勉強方法を教わる。

無期懲役囚の名前は、美達大和。罪状は2件の殺人。仮釈放を放棄している。塀の中の懲役囚と、女子高生は手紙を通して、単なる勉強に止まらないことを学んでいきます。

手紙のやりとりがゆえに非常に読みやすく、言葉も選び抜かれており、サヤカとヒロキ向けでとても分かりやすい。

この文通のやりとりの中で繰り返し、繰り返し言われていることは、

①やると決めたら、やり続ける

②自分はできると自信を持つ

③「学ぶ」ということは、「何にでも平然と取り組める、解決できる。忍耐強く続けることができる」能力を養うための訓練

結果を出すこと、続けることの大事さは社会を覆うように存在しています。その大事さや、継続することの意味について、塀の中から手紙を通してサヤカとヒロキに語り続けます。

2人は美達さんのことをみたっちゃんと親しんで、手紙の往来を楽しみにします。この関係性、不思議だけど、うらやましい。勉強だけでなく、この時期に起きる色々な悩みを打ち明け、そのアドバイスを愚直に受け止めて、七転八倒して成長していきます。

美達さんの言葉を3つほどご紹介しておきます。

『続ける習慣は、今日はじめたからといって、明日、一週間、一カ月ですぐに身につくものではありません。楽に手に入れたものは、大したものではありませんからね。日々の暮らしの中で、自分の弱い心と戦って手に入れてください。』

『伸び悩んだときに「今に見てろ」と頑張ると、ある日いきなりグンと伸びる瞬間が訪れます。この事実を胸に刻んでください。あきらめずに正しいやり方を続ければ、絶対に伸びる日が来るのです。あきらめる人というのは「伸び悩み」の状態に耐えられなくなり、気持ちも落ち込みます。むしろ「伸び悩み」の状態を楽しんでください。そのあとには、必ず「グンと伸びる瞬間」があるからです。喜びの瞬間を待ってください。』

『桜は自分が咲くこと、花をつけることを知り、そのときが来れば加減もせず、力むこともなく、すべきことを淡々としています。誠実に凜と咲き、潔く散る。人の生き方でたとえるなら何とも美しいものではないでしょうか。誰かが見ていようと、見ていまいと自らがやることを黙ってやる。そんな生き方、取り組み方ができたらいいなあと、いつも考えています。「続ける力」は減ることなく、消えることもない財産です。』

このような言葉をかけることができる人がどうして殺人を犯したのか?物事はいつでも崖のすぐ手前にあって、少しでも踏み外せば奈落の底へ。自分の信念と反しても、あとずさりすれば、安楽の地へ。

本人の意図とは反する言葉もたくさん受けたことは容易に想像ができます。

でもそのような環境において、常に学び続けること、継続することの大事さ、そして周りに流れることなく、自分の信じる道を進んでいる美達さんを尊敬します。

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感想投稿日 : 2021年6月27日
読了日 : 2021年2月21日
本棚登録日 : 2021年2月21日

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