「知の衰退」からいかに脱出するか?

著者 :
  • 光文社 (2009年1月23日発売)
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集団知の低下についての警告を書いた本。

昔は○か×かを判断できれば良かった。
が、今は正解の無い問題が増えてきており、
それが引き金となって、結論だけではなく、
何故その結論に至ったかを論理的に説明する必要がある。
この結論に至る過程を論理的に説明できない人が多い。

また、行動できない人、無気力気質の人が増えている。
リスクを取って行動することが出来ないのだ。
そのため、海外投資等に手を出すことが出来ず、
低金利の銀行預金で満足してしまっている。
ここではお金を一例に挙げているが、
リスクを取ってこそ得られるものは多い。
ハイリスクハイリターンの言葉は正しく、
リスクを取っていかないと成長は見込めない。

こういったことは学校では学ぶことが出来ず、
また就職してからも学ぶ機会は外国に比べて少ない。
個人で意識改革し改善することは勿論ですが、
大前さんは、環境を与える必要性についても説いています。
実際、ビジネススクール開校されてますしね。

個人レベルでの改善策としては、
色んなことにチャレンジするのは勿論ですが、
考える力を養うことが大切。

考える力を養うためにも、
本を読んだりネットサーフィンした際に、
ただボーッと眺めるのではなく、
自分なりの見解を述べる癖をつけること。
要するにアウトプットを出す癖をつけることが大切。
当たり前のことですが、なかなか出来ていない気がします。

自分も考える力の底上げをするために、
以下を実行していこうと思います。
 1. 1日1テーマ考える癖をつける
   RSSで情報収集し、気になったテーマをピックアップ。
   テーマについての自分なりの考えをまとめる。
 2. 英語の勉強をする
   ヒアリング、読み書きの勉強を継続する
 3. 金融リテラシーの向上
   投信を中心とした勉強を継続する


印象に残った内容:
・他者からは必要な部分だけ学ぶこと
 全部学ぶと、コピーになってしまう。
・今後メシを食っていくための三種の神器
  IT(ITを駆使した論理思考を含む)、英語、ファイナンス
 これに加えて4つ目を挙げるとしたら、
  「リーダーシップ力」
・21世紀のリーダーに必要な資質・能力
 方向を示す:
  どうすればよいかの方向性を打ち出す。
 程度と方法を示す:
  成果を上げるための方法とペース配分を説明する。
 具体的にやってみせる:
  部下がやり方が分からないなら、実際にお手本を見せる。
 できる人間を連れてくる:
  自分でできないなら、できる人を連れてきてでも改革する。
・21世紀を牽引する産業は、
 「サービス産業」「付加価値産業」「情報産業」の3つ
・いまの日本が学ぶべきことは、
 大(アメリカ)、中(ドイツ、韓国)、小(シンガポール)
 それぞれにある。
 過去のプライドを捨て、とにかく学ぶこと。
 大:移民政策
 中:大学教育と企業改革
 小:グローバル化に対応した教育

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ビジネス書(経済)
感想投稿日 : 2011年5月8日
読了日 : 2011年5月8日
本棚登録日 : 2011年5月8日

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