奥田 千恵子教授(横浜薬科大学)による統計の翻訳書。
原書はMichael Harris、Gordon Taylor 『Medical Statistics Made Easy』
医学統計の解説なのだけども、統計を”使う”というよりも、論文を読むための統計入門の書になっている。
要点をおさえて、難しい数式は使わずに、論文を読む上で登場する統計をどのように解釈するのか?どのように読み取るのかを身につけるためのものになっている。
各統計手法に英語も併記されているので、理解しやすかったし、巻末の用語集も意外に役にたつ。
ざっくりと知りたい場合には、このくらいコンパクトな内容がいいと感じた(とくに、僕のような怠け者にはちょうどよい)。
最終章には、BMJ,NEJM,LANCETなどの論文アブストラクトを引用し、論者がなぜその統計を使用したのか?何を訴えたいのか?を読み取るトレーニングが用例として掲載されている。
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【内容(金芳堂より)】
高度な統計手法を使った論文を読みこなすための「これだけ必要」に絞った画期的な解説書.
論文で使用された統計手法を重要度・難易度ランキングで選定.統計学を基礎から学ぶ目標はひとまず置いて,「読むために必要な統計手法の理解」を目標にすえた.
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【目次】
データ記述のための統計
パーセント/平均値/中央値/最頻値/標準偏差
信頼度検定のための統計
信頼区間/P値
差の検定のための統計
t検定およびその他のパラメトリック検定法
マン-ホイットニー検定およびその他のノンパラメトリック検定法
カイ2乗検定
リスク比較のための統計法
リスク比/オッズ比/リスク減少および治療必要数
関係解析のための統計
相関/回帰
生存分析のための統計
生存分析:生命表およびカプラン-マイヤープロット
コックス回帰モデル
臨床研究およびスクリーニングのための統計
感度,特異度および予測値
一致度およびカッパ値
その他の手法
最近の主要医学論文に見る使用例
標準偏差,相対リスク,治療必要数
オッズ比,信頼区間
相関および回帰
生存分析
感度,特異度および予測値
用語集
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- 感想投稿日 : 2014年2月25日
- 読了日 : 2014年2月23日
- 本棚登録日 : 2014年2月23日
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