p9「僕は自分を壊そうと思ってここに来た。ぼくは一回バラバラに壊れる必要があったのだ。」
■1980年代後半に描かれたお話のようで。
夜の街で“ボーイ”として身体を売る少年と、その周りの少年たちの話です。
描写は直接的ですが、濃厚というより説明的。
しかしBL的な感覚で読むと少し違和感が生まれますのでご注意。
現実的というか、主人公のジュンの淡々とした虚な感じが切ない。
でも凄く暗い話って訳でもないのが救い。愛の無い性描写と行為を“仕事”ととする彼らの描写は新鮮でした。
とりあえず『ノスタルジア』で出てきた千裕は男の娘で妄想した。
千裕かわいいよ千裕。そしてあの夢は何を示しているんだろう。
個人的に残しておきたい台詞が
『ユタカのモノローグ』よりp135「だってやってる方よりやられてる方が美しいっていうのは人類誕生以来の心理ってやつだろう?」
あと柿沼瑛子さんの解説p243「だったらなんだって男同士のベッドシーンに女の子が熱狂するのかといわれれば、彼女たちがむしろ男だからこそ何をしても許される、ある意味では人と人とのもっとも根源的なかかわり方の実験室としてとらえているからではないかと思う。」
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
和書
- 感想投稿日 : 2011年7月20日
- 読了日 : 2011年7月20日
- 本棚登録日 : 2011年4月12日
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