盲目的で激しい感情のはずなのに、静やかで繊細でひっそりした語りが非常に魅力的でした。
シロップ漬けの瓶の中にどんどん沈んでいき、やがて甘さにむしばまれて心も体も少しずつ溶かされて失われていくような、甘くてうっとり、そして狂おしい中毒性の強い作品で、むしばまれていくと分かっていても甘さを求め続け自らを滅ぼしてしまう苦しみに非常に共感しました。
また、幼少期の記憶がこんなに自分と重なるお話は初めてで、ずっとモヤモヤと心にあったあのときの、そして今も残る孤独や憂鬱をそのまま描き表されているかのようでした。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年8月30日
- 読了日 : 2020年8月30日
- 本棚登録日 : 2020年8月30日
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