出会ったきっかけがなんとも奇妙。
司馬氏の「菜の花の沖」読了直後、ゴロヴニン著の「日本幽囚記」の訳本を検索したらその脇にこの本が表示されていた。まずタイトルに引きこまれ、そして著者の略歴をみているうちにさらに引きこまれ、まずはお気軽にと彼女の「ガセネッタ&シモネッタ」を手にとったところさらに引きこまれ、本書に至ることに。文庫本の厚さに一瞬ひるむもその小気味の良い斬り方に軽快さを覚え、気がつけばこの本の索引片手に本屋を駆けずり回りたくなっている自分がそこにいた。
今回こうして書評本という新しい分野に挑戦してみて新たな開きがあった。ここで紹介されている本はあくまで彼女が興味を持って手に取り、彼女の琴線に触れたからそのふるいにひっかかったもの。人の琴線とは千差万別で、それをどこまで当てにするかというのはその評価する側の人となりにかかっている。彼女はそれを見事に備えていた。最盛期、1日7冊というハイペースでページをめくり続けていたというとても真似できない読書量が裏付けとなり、ゴルバチョフに同時通訳者として指名されたこともあるという、決して書斎にこもって脳内活動だけを行なっていたわけではない社会貢献度の高さ、確かな知的教養度、死を見据えながらも保たれる精神の健康度等々…がさらなる後押しとなって、いつの間にか彼女の薦めるわけを聞きたくてしょうがなくなっている。
昨日もついこの書籍名群から一冊を手にとってしまった。
しばらく続けてみよう。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年4月9日
- 読了日 : 2012年5月21日
- 本棚登録日 : 2020年4月9日
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