資本主義の終焉と歴史の危機 (集英社新書)

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  • 集英社 (2014年3月14日発売)
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過去の歴史と詳細なデータを分析し、資本主義の終焉について論理的に考察している。

だが、現在の「資本主義」が終焉を迎えていることは、既に感覚的に予想できている人も多いのではないだろうか。

問題は、その先のシステムをどう設計していくかである。
次の社会システムが明確になり、ゴールに向けて人々が動き出さない限り、資本主義は、恐らくまだまだまだ対象を広げ、延命を続けていくだろう。

原丈二氏が『21世紀の国富論』で唱える「公益資本主義」のように、まだ考察段階のシステムでもよいので、ポスト資本主義の姿を考えるためのヒントを提示して欲しかった。

本書に「日本は新しいシステムを生み出すポテンシャルという点で、世界のなかでもっとも優位な立場にある」とあるとおり、ゼロ金利が長く続き、世界のなかでも資本主義の限界に近づいている日本は、ポスト資本主義にもっとも近づいているとも言える。

ポスト資本主義の姿を考えるためのヒントとなるのかもしれない一冊。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 資本主義
感想投稿日 : 2014年7月16日
読了日 : 2014年7月16日
本棚登録日 : 2014年7月16日

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