贈与論 (ちくま学芸文庫 モ 11-1)

  • 筑摩書房 (2009年2月10日発売)
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感想 : 41
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本書は、経済は市場経済だけではないという論証になっていると思うので、市場経済に苦しめられている私としては救われる書物であった。
贈与経済を実践するためには、贈与を義務としてとらえるというマインドや贈与先の無数のリストを保持するという条件が必要だが、未開社会や原始的な社会においては、神話や呪術や宗教や法や倫理が様々に入り組んで構造化されることで、その二つが人間に与えられている。
そういうものをこれから組み立てようとするのは至難の業のようにも思えるが、やはり必要な気がする。最終的には、人類共同体が生き残るためのきまり(=倫理)の追求の問題になるのかな?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 人類学
感想投稿日 : 2012年6月10日
読了日 : 2012年6月9日
本棚登録日 : 2012年6月10日

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