精神現象学

  • 作品社 (1998年3月1日発売)
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本棚登録 : 398
感想 : 19
4

まるまる1ヶ月かかった。
しかもよくわからなかった。ともかく読み終えたという満足感しかないかもしれない。

本書のまえがきにもあるように何度も読まないとわからないのだろう。最低2回は読んでいると思う。本を閉じて開くと読んだはずのところが全くわかっていないと感じられて、読み直さないと次に進めないからだ。
それで全くわかる気配がなければ投げ出すのだろうが、微妙にわかるかもしれないというかすかな何かが感じられてとうとう最後まで読んでしまった。
それにしても、出てくる言葉の意味がよくわからない。
「意識」はまぁたぶん意識のことだろうが、まず、いきなり「自己意識」がまずわからない。さらに「概念」や「精神」の意味が…あと「自己」や「自己に還る」などなど…
これらはキーワードなのだからその意味がわからなくては全体の内容などわかるわけがないのだけれども、予感だけは抱かせ続けるという本である。もう何回か読んでみれば少しは理解できるようになるかもしれない。いや無理か?

ともかく意識をこれでもか、これでもかという感じで観察し分析して「精神」とは何かを説明するような構成にはなっている。その執拗さはやはり常人ではない。すごいエネルギーである。

「意識の形態」や「精神の形態」という言葉も出てくる。
言葉が違うのだから意味も違うのだろうが、意識は運動するらしくあっちに行ったりこっちに行ったりしながら成長したり、消えたり、没落したりする。
意識の運動に国家や社会が絡むのは経験的にわかっていたので途中そういう記述が出てくると「確かにそうだけど、どうしてここでなんだろう?」などとも考えさせられ、わからないけど止められないという思いをした。

「精神の完成」に至ればとても充足し、喜びに溢れ、なにより自由のようである。そこまでの道のりを書かれているわけだから、一種のマニュアル本なわけで実際には出来なくてもやり方ぐらいはわかって良さそうなんだけど、どうも実践がともなわないと理解も出来ないらしい。ぼちぼちやるしかないのだろうなぁ…

この本ばかり読んでるわけにもいかないし、他の本も読みながら時々ちょこちょこと読んでみよう。

Mahalo

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 哲学
感想投稿日 : 2013年11月6日
読了日 : 2013年11月6日
本棚登録日 : 2013年10月5日

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