ブラームスはお好き (新潮文庫)

  • 新潮社 (1961年5月12日発売)
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本棚登録 : 1668
感想 : 136
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サガンの四番目の長編。ブックオフで¥105だった。
主な登場人物はたった三人なのに、これほどの作品にできるサガンの心理描写はすばらしい。それほどにひとが誰かに恋をし、誰かを愛することは複雑でたくさんのドラマが含まれている。そのくせきっかけはとても単純で、はまってしまえばあっという間に堕ちてゆく。
過ぎ去った美しい時が今を生きるひとに揺さぶりをかけるつらさ、大切な何かを失う悲しさ、冷たい夜の孤独から来る寂しさ。サガンの手によって純化されたそれらは、苦しいことなのにどうしてか美しい。
幸福も悲しみも、ずっとそこにあり続けるのではなく、いつかどこかへいってしまう去りゆくもの。だけど、心はそれらをいつまでも消せない。だからこそ、ひとはもう一度立ち上がり、歩き続けようとする。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 物語
感想投稿日 : 2013年3月28日
読了日 : 2013年3月28日
本棚登録日 : 2013年3月28日

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