ズバリ核心を突いたタイトルで、読者を誘い込む。
数式と見ただけで敬遠する人もいるかもしれないが、本書は数式の厳密性や細部の説明には踏み込まず、数式で表されるという驚きを提供する。
過去の偉人たちが見出した偉業は、発明ととらえず、発見とくくる。宇宙は数学的関係で満たされており、その関係性を法則という形で見出している。
そもそも、なぜ法則に従うのか、光速度が一定なのはなぜか、様々な物理定数がその値をとるのはなぜなのか。根源的な問いは明かされることなく、その関係性があるから、それを考えれる知的生命体が育まれ、宇宙の存在証明になる。最近、こうした宇宙は無数に誕生しているという、パラレルワールドという考えがあるが、真理はそれに近いものと感じさせられる。現在の宇宙は拡大していってるが、過去に遡って収斂していくと、プランク時間という宇宙創生から10のマイナス44乗秒後という時刻で、現在の物理法則は壁にぶつかり、その先を説明できない。万能と思われる法則に適用限界がある。この謎をブレークスルーした先には、どんな世界観が待っているのか、人智を超えて神秘に包まれる宇宙、この先、どこまで謎のベールを剥いでいけるのか、興味は尽きない。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年1月20日
- 読了日 : 2023年1月20日
- 本棚登録日 : 2023年1月20日
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