宇宙は数式でできている (朝日新書)

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2022年1月13日発売)
3.72
  • (5)
  • (15)
  • (10)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 216
感想 : 18
4

ズバリ核心を突いたタイトルで、読者を誘い込む。
数式と見ただけで敬遠する人もいるかもしれないが、本書は数式の厳密性や細部の説明には踏み込まず、数式で表されるという驚きを提供する。
過去の偉人たちが見出した偉業は、発明ととらえず、発見とくくる。宇宙は数学的関係で満たされており、その関係性を法則という形で見出している。
そもそも、なぜ法則に従うのか、光速度が一定なのはなぜか、様々な物理定数がその値をとるのはなぜなのか。根源的な問いは明かされることなく、その関係性があるから、それを考えれる知的生命体が育まれ、宇宙の存在証明になる。最近、こうした宇宙は無数に誕生しているという、パラレルワールドという考えがあるが、真理はそれに近いものと感じさせられる。現在の宇宙は拡大していってるが、過去に遡って収斂していくと、プランク時間という宇宙創生から10のマイナス44乗秒後という時刻で、現在の物理法則は壁にぶつかり、その先を説明できない。万能と思われる法則に適用限界がある。この謎をブレークスルーした先には、どんな世界観が待っているのか、人智を超えて神秘に包まれる宇宙、この先、どこまで謎のベールを剥いでいけるのか、興味は尽きない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年1月20日
読了日 : 2023年1月20日
本棚登録日 : 2023年1月20日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする