東京高裁長官の津崎、金沢地裁裁判長の村木、弁護士の妹尾の3人の主人公が、日本海原発建設差止め訴訟を前に、それぞれの立場からの思いが綴られるプロローグから、物語は一気にタイムスリップして司法試験前へと戻る。彼らの人生軌跡を辿りながら、当時の人物が実名で登場するなど、ノンフィクションまがいの展開に、公害、自衛隊、原発の訴訟を通して、司法の独立性に政治力が影響を与える過程をリアルに映し出していく。小説と事実の間を彷徨う感覚にさせる手法がいい。大作でありながら飽きさせず下巻へと引きつける。
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- 感想投稿日 : 2017年12月9日
- 読了日 : 2017年12月9日
- 本棚登録日 : 2017年12月9日
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