顔をなくした男 上巻 (新潮文庫 フ 13-62 チャーリー・マフィンシリーズ)

  • 新潮社 (2012年2月27日発売)
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感想 : 12
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中学生の頃からスパイ小説が好きで、特にフリーマントル氏とジョン・F・ル・カレ氏の作品は軽く20年近く読み耽っている。もちろんフリーマントル氏の生み出したチャーリー・マフィンとル・カレが生み出したジョージ・スマイリーが魅力的だった故。そういえばル・カレ氏の『ティンカー・テイラー・スパイ・ソルジャー』が映画されたからハヤカワ文庫から70年代のスマイリー3部作が再販されたのには、今更すぎてびっくりした(70年代の話だよ)。

僕が、アイラのウィスキーが好きなのはチャーリー・マフィンがアイラ好きだったのがキッカケ。小説で飲みたいお酒に出会うことが多くて、本書でも「アロックス・コルトン」が”自分のご褒美”に出ていて飲みたくてしょうがない。

フリーマントル氏の短編『第五の日に帰って行った男 』の中で、“スパイには魂がない”という言葉がいまでも印象に残っている。欺瞞と魂の葛藤のなかで魂を取り戻しつつあるチャーリー・マフィンにはハッピーエンドで終わって欲しいと願ってしまう。そんな面白い小説。こちら3部作の真ん中なので次が待ち遠しい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2012年5月16日
読了日 : -
本棚登録日 : 2012年5月16日

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